アフターコロナのDXとリーダーシップ戦略

CI&T Team

アフターコロナの戦略とリーダーシップ
Posted on 10月 8, 2020

この記事の内容

  • ニューノーマルに対応する戦略の構築
  • リーン・デジタル化:強力なDX手法
  • 新しいリーダーシップモデルの構築

 

「今、多くのエンタープライズが抱える主な課題は、このデジタル時代の襲来にどのように対応すべきかということです。」

CI&T 共同創立者兼CEO セザール・ゴン

 

新型コロナウイルス感染拡大は、これまでの人々の生活や行動パターン、考え方にまでも大きな変化をもたらし、人類の歴史の転換点となっています。これは、社会、経済、政治にも影響を及ぼしました。この出来事により、日本ではデジタル化の遅れが浮彫になり、様々な分野で急いで対策が取られています。これまで、時期を見て徐々にデジタル化を進めていた多くの企業も、数週間で運用方法を全面的に再検討し、数か月でデジタル変革(以下、DX)を余儀なくされているのが現状です。そうでなければ、時代に置いて行かれてしまうでしょう。
 

もちろん、DX推進は簡単に出来ることではありません。CI&Tもかつて開発手法をウォーターフォールからアジャイルに完全移行したり、運用方法を何度も変えたりするなど、大きな変革を起こす度に最適な方法を模索してきました。また、フォーチュン500企業を中心に顧客企業のDX支援事業も行ってきました。その中で、最も安全で成功率の高い方法をCI&Tは見つけました。その発見について、当社の創業者兼CEOのセザール・ゴンとCSOのボブ・ウォルハイムがPodcast配信(英語版)を始めました。当社25年の経験を基に、企業やビジネスの現在そして未来について語っています。

 

ゴンによると、企業を支える軸として、以下の2つを挙げています。

1 - 柔軟に戦略の方向転換を行うこと

2 - 新しいリーダーシップモデルを確立すること


 

ニューノーマル時代に対する戦略の構築

「コロナの影響で、消費者の行動や嗜好が著しく変化しました。企業の共有と消費者の需要のギャップが更に大きくなり、イノベーションが必要となったのです。」

セザール・ゴン

 

ゴンは、コロナ渦で生まれた機会を活用し、成長とイノベーションに焦点を当てた戦略を構築する必要性があると話し、企業の進化モデルを用いてそれを解説しました。このモデルでは、企業の成長が3つの段階で説明されています。
 

1 - コアビジネスの継続的な改善(短期:2年未満) - 既存のプロセス、製品、サービスを顧客行動に合わせて改善する。 

2 - コアビジネスを新たな消費者層に拡大する(中期:2~5年) - マーケティングやデザイン戦略を用いて新たなターゲットにリーチする。

3 - 将来に向けて革新的な計画を立てる(長期:5~10年) - 戦略の中心に消費者を置くことを目的に、企業文化および体制を変革(DX推進)する。

 

多くの企業は、目の前の成果を挙げるため、予算の70%~80%を1つ目の戦略に集中させています。2~5年の間に成果を得ることを目標に、10%~20%を2つ目の戦略に。そして、革新的な取り組みについては、5~10年後の成果として、多くても5%程度の予算と人員しか確保していない、とゴンは見ています。
 

「今日のデジタル界では、新しい戦略の在り方があると思います。技術とイノベーションの基盤を相関させる必要があるのです。DX推進にもっと投資して、新しい技術や機会作ることに積極的に取り組み、競合他社の前に革新的な変革を起こす!という考え方が必要です。」 

セザール・ゴン

ゴンによると、DX推進を始める前にまず、あなたの企業が「失敗を許す」ために何をしているか知るところから始まると言います。新しいマーケティング戦略、技術の導入、そして消費者への価値提供方法において、リスクを取るための検証を行うことが必要です。

「Netflix、Airbnb、Uberなどの大きく成功をしている企業を見てみると、始めから、2つ目と3つ目の(中長期的な)取り組みに注力することで、成果を挙げたことが分かります。」

セザール・ゴン

 

CI&Tが大企業のDX推進をサポートしているのは、顧客により多くのビジネス価値を、革新的な方法で提供するという視点を持っているからです。このプロセスの基礎となるのは、リーンの原則・アジャイル・デザイン思考のツール、実践法、プロセスを組み合わせて開発した方法論です。これがリーンデジタルです。

 

「リーンデジタルとは、データ、デザイン、テクノロジーの積極的な活用という変革と、リーン思考、リーダーシップを組み合わせたものです。」

セザール・ゴン

 

リーンデジタル:強力なDX手法 

CI&Tがこれまで多くの顧客企業の支援をし、市場を観察した結果、ほとんどの伝統企業におけるDX推進は、以下の3つの柱を再構築することにかかっているという事が分かりました。

1 -  デジタル製品開発のプロセス

2 -  マネジメントのシステム

3 -  リーダーシップの在り方

 

リーン・デジタルの原則と手法を使用することで、上記3点を段階的に、一貫して、持続可能な方法で再構築することが可能になります。この方法については当社のブログ記事や、※電子書籍『Faster Faster: The Dawn of Lean Digital』にて、無料でご覧いただけます。CI&Tが行った南米最大手のイタウ銀行、コカ・コーラ等エンタープライズのDX推進について掲載しています。

※現在は英語版でのご案内ですが、日本語訳版の公開も予定をしております。

 

「企業は、提供するデジタル体験やプラットフォームを進化させる方法を変える必要があり、そのためにはデジタル製品やデータの扱い方から変えなくてはならない。もちろん、私が話しているのは、チーム制を導入すること、アジャイル、DevOps、デザイン思考、マイクロサービス、クラウド、アドバンスドアナリティクス、機械学習など、膨大な数の方法論や技術についてです。それはまた、その管理システム、計画や予算決めの方法、会社の運営を再設計することにも繋がります。戦略と現場の日常業務をリンクさせることに焦点を当てたマネジメントシステムが必要です。そしてなにより重要なのが、リーダーシップの開発です。」

セザール・ゴン

 

新しいリーダーシップ

「『上司』ではなく『リーダー』の教育が必要です。ますは、リーダーシップ層とマネジメント層自身が変わることが必要です。おそらく、これがスピード感を持ってDX推進をするための最も重要な部分なのでしょう。企業を変える第一の障壁は、『私たち』です。言い換えれば、『過去の企業体質を持つ、これまで成功を収めてきたリーダー、管理職、経営者』です。」 

セザール・ゴン
 

ゴンは、部下に指示を出してチームを統率することで、堅実なキャリアを築いてきたマネジメント層の多くは、デジタルの波に乗る準備が出来ていない点に注目しました。

 

「私たちがリーダーシップ戦略を成功させたのは、これまでの指揮統制型のリーダーシップモデルがあってこそです。それでは、革新性とスピード感を持った取り組みが出来ないことに気付いたところから始まりました。」

セザール・ゴン

 

良きリーダーとは、命令するよりも協力すること、答えを与えるよりも正しい質問をすること、そして従わせるのではなく自律性を与えることを心がける必要があります。デジタル時代、特にアフターコロナのニューノーマル時代におけるリーダーシップは、常に学ぶ姿勢と実験、時にはリスクを取って挑戦を促す環境を作ることが大切です。
 

そのためには、リーダーは失敗や課題に対する見方を変えなければなりません。失敗は、成長機会とイノベーションのための大切な資産です。新製品、サービス、そして何よりチームの経験を生み出す過程で当たり前に起きうることです。部下の失敗を責めるのではなく、そこから何を学ぶか、そして素早く改善に繋げることが大切なのです。


 

リーダーシップに必要なスキルとは?

「人を理解する能力」であると、ゴンは言います。企業を成功へと導くのは、人であり、人のエンゲージメントであり、人の才能であり、人の創造性であるのです。
 

「このクレイジーなテクノロジー業界に25年間情熱を注いできました。その中で私が学んだこと、そして起業家・リーダーとしての私を表しているものがあります。それは、物事においてテクノロジーが主役になればなるほど、人間的な側面が重要になってくるということです。人が全てなのです。テクノロジーが革命的なのではなく、人間が革命的なのです。私から各企業へのリーダー達へのアドバイスは、財務、マーケティング、オペレーション、テクノロジーなどのハードスキルを維持している限り、ソフトスキル(コミュニケーション力、協調性、自律性、リーダーシップなどの目に見えない定性的なスキル)の開発に力を入れてほしいということです。」

セザール・ゴン
 

「リーダーであることは、社員を何よりも大切にするということなのです。」