スクラムフェス大阪2020でCI&Tが学んだ10のこと

by: The CI&T Team

10 things you should know from our learnings by participating in Scrum Fest Osaka 2020
Posted on 7月 14, 2020

スクラムフェス大阪2020とは

 

スクラムフェス大阪は、年に一度、アジャイルやスクラムの実践者達が知識、経験、パッションを共有し、学びを深め合う、熱気溢れるカンファレンスです。スクラム初心者からエキスパート、ユーザー企業から開発者まで、アジャイルやスクラムの実践に興味のある方なら誰でも参加できるイベントです。今年は2回目の開催となり、昨年に引き続きCI&Tもスピーカーとして2度目の参加となりました(2019年参加レポート第2弾第3弾) 。コロナの影響もあり、オンライン開催となりましたが、これを機にと19の地方スクラム/アジャイルコミュニティが集結したことでセッション数が大幅に拡大、約100セッションの中から興味ある講演やディスカッションに参加出来るという、なんとも贅沢なカンファレンスとなりました。


 

CI&Tからは2名が登壇!

CI&Tからは以下の2名がスピーカーとして参加し、スクラム・アジャイル開発エキスパートとしての経験や知見をプレゼン、イベントを盛り上げました。


◎ 橋永 ローズ(CI&Tオペレーションマネージャー)

 登壇タイトル『アジャイル案件を管理して12年 - 自分という変革』 

 

◎ 川渕 洋明(CI&Tカスタマーサクセスリーダー、アジャイルジャパン実行委員)

 登壇タイトル『【ディスカッション】異文化の壁を乗り越えるスクラム

 共壇者:チャンドラー彩奈氏、ロッシェル・カップ氏


 

また、こちらの参加された方のブログ投稿には、他の登壇者の登壇スライドが多数掲載されています。多くの経験と知恵が詰まってますので、ぜひご覧になってみてください。

 

そんなスクラムフェス大阪ですが、実は筆者にとっては初参加、本当に楽しく沢山のことを学ぶことができました。そこで今回は、私たちが学んだこと10選を皆さんに共有したいと思います。

 

1. 異なる視点からの意見を聞き入れる

自分の意見が周囲に賛同されなかったり、チームメンバーが自分の思うようにプロジェクトを進めてくれなかったりして、不快な思いをすることがよくあると思います。中には、チームメンバーを言いくるめたり、命令したりして、自分のやり方で物事を進めさせようとする人もいるでしょう。しかし、それは時間の無駄ではありませんか?チーム全体のモチベーションも下がりますよね。これでは、デジタル時代のマネジメントモデルからは程遠くなってしまいます。

 

アジャイル組織への変革を目指すには、誰もが意見を出し合い、一緒に問題を解決していく「コラボレーション」が必須です。チームで仕事をする上で、多様なアイデアの重要性を理解することが必要であり、多様性に富んだチームなら、消費者により良い製品やサービスを提供することが可能になります。

 

特にリーダーは、メンバーに指示を出すのではなく、メンバーの意見を聞き入れ、時にはチームで失敗のリスクを取ることも必要です。しかし、すべてを受け入れればいいというわけではありません。間違っていると思う意見に対しては、本人が理解してくれるまでは十分な時間をかけ、理由も踏まえて説明しましょう。大切なのは、皆がモチベーションを持って仕事が出来る環境です。チームの自律性を保つため、「やり方ではなく、結果にフィードバックを与える」という意見もありました。


 

2. 多様性を尊重する

上記トピックと少し似ていますが、異文化を理解することは、他者の意見を受け入れることと同じくらい難しく、重要なことです。グローバル化が進む現代では、仕事だけでなく、日常生活でも文化の違いを感じることが増えているのではないでしょうか。ここで言う「文化の違い」とは、単に出身国の違いだけではありません。同じ国や地域で育っても、考え方や常識は違います。自分以外の文化は、全て異文化なのです。

 

ここで、異文化を積極的に受け入れることのメリットを考えてみましょう。まず、様々な意見を持つ社員がいることで、より多くのアイデアがチームにもたらされます。また、一人ではすべての分野の専門家にはなれませんが、異なる経験や専門分野を持つ人たちを集めてチームを構成することで、より質の高いソリューションを提供することができます。これは、消費者の満足度を高めるだけでなく、アイデアや解決策をストックすることで、企業の成長を促すことにも繋がります。企業としてダイバーシティ&インクルージョンに取り組むことで、消費者が企業をより身近に感じることもあるそうです。どんな意見や文化にも大きな価値があります。なら、より多くのアイデアを取り入れる方が良いと思いませんか?

 

「チームメンバーやクライアントと異文化の壁にぶつかるたび、解決方法を模索してきました。これは、CI&Tのように国際的な社員を抱え、自身の変革ならびにクライアント企業の文化を変革することに日々取り組んでいる企業にとっては、永遠の課題のように思えます。そんな中、コミュニケーション、他者への理解、信頼関係の重要性に気付いたのと同時に、スクラムのフレームワークはチームメンバーとの関係構築に役立ちました。CI&T Japanがチームとしてここまで成長を遂げてきたことをとても誇りに思っていますし、今後の拡大にも力を入れていきます。」

川渕 洋明、CI&T Japan カスタマーサクセスリーダー



 

3. フィードバックは宝物!

フィードバックは、今後のパフォーマンス向上のヒントを無料で提供してくれます。アジャイルプロセスでは、毎回のスプリントの最後にPOやユーザー企業からフィードバックをもらうのですが、もし良いフィードバックをもらえなかったら・・と不安に思う事もあるかと思います。

 

しかし、これを恐怖のイベントではなく、宝探しにしてみてはいかがでしょうか。上記にもあるように、誰もが異なる視点を持っています。よって、そこで得られるフィードバックは、そのクライアントと一緒に仕事をしていないと出てこないものなのです。たとえその意見がすぐに使えるものではなかったとしても、将来的に素晴らしい解決策に変わる可能性もあります。意味がないからといって捨ててしまうのではなく、どうすれば宝物にできるのかを見極めましょう。


 

4. ファストラーニング:失敗は成功のもと

私たちは失敗をただの失敗と捉えてしまいがちです。そしてその失敗を誰かのせいにしたり、落ち込んだりするのは至って簡単です。

 

ただ、失敗から学べることは非常に多く、それをいかにうまく活用出来るかが、今後の成長への分かれ道だと思います。失敗した理由を分析し、より良い解決策や改善策を話し合うだけでも得るものは沢山あり、チームとしてレベルアップが図れます。また、二度と同じ失敗をしないというというだけでも成功です。失敗は継続的な改善への重要な鍵。失敗を糧にすることが、成長を続け、素早い行動をとるための必須条件です。


 

5. サポート型リーダーシップ(サーバントリーダーシップ)

チームの成功や成長機会を最大化するには、メンバーのスキルやアイデアが不可欠です。そしてそのためには、メンバーが考えを気軽に話せる環境が大切であり、全員との信頼関係構築に取り組む必要があります。

 

ここでは、「サーバントリーダーシップ」とも呼ばれるサポート型リーダーシップが最適です。プロジェクトに取り組む際、サポート型のリーダーはチームと協力して作業を行います。目標達成へのガイドラインを説明、メンバーの意見や提案を聞き、必要なリソースを提供したり、場合に応じてフィードバックをしたりしながらプロジェクトを進めます。リーダーが敬意を示すことで、メンバーとの壁が無くなり、信頼関係が生まれます。活発な議論となんでも挑戦してみる精神で、より多くのアイデアを生み出すことができるのです。


 

6. 目的と目標は明確に

ディスカッションの中で、「プロジェクトの目的が伝えられないまま、目標だけ与えられることがある」という意見がありました。目的無しでは、モチベーションやチームの方向性を保つことが困難ですよね。

 

チームで仕事をする上で、目的はむしろ目標よりも重要ではないでしょうか。素早く仕事を進めるためには、まずはスコープ全体を共有し、メンバーに理解してもらうことが大切です。チーム全員が同じ方向を向いて一緒に仕事をしてこそ、速く動けるのです。


 

7. コラボレーティブなリーダーシップ

プロジェクトチームを構成したら、まずメンバー全員が自分のビジョンを描き、それをチームメンバーと共有する時間を作ってみましょう。そうすることで、一緒に仕事をする前に、他のメンバーのビジョンも知ることできます。また、それにより、チームとしてメンバー一人一人の理想を最大化する方法を模索することができるので、モチベーションを高く維持し、より良い結果を生み出すことにも繋がります。

 

CI&Tでは、チームメンバー全員が議論に参加して、一緒に戦略を構築します。リーダーはチームが正しい方向に向かっているかどうか、また、全員が気持ちよく仕事が出来るようにサポートをします。リーダーは意思決定や指示を出すためではなく、チームで最高のパフォーマンスができるよう働きかけるために在るのです。


 

8. 公正な評価による成長

どの職場にも、「ギブ&テイク」が見られます。もちろん、誰もが与える側と受ける側の両方の経験があるかと思いますが、どうしてもどちらかに偏ってしまいます。与える側になりがちな人もいますし、逆もまた然りです。覚えておくべきなのは、誰かに何かをして時には毎回感謝の気持ちを伝えることと、人のために何かをしてあげるということは、本人が想像する以上に大変だということです。

 

そうなると、全員の仕事を公平に評価することは複雑になってきます。特にリーダーは、目に見えない部分も含めて、メンバー全員の頑張りを理解し、感謝を伝えなくてはなりません。全員が自信を持てる環境を作ることが大切です。一見、なかなかチームに大きな成果をもたらさない人が、実は他のメンバーのために働き、チームの成功に最も貢献している人かもしれません。

 

CI&Tには、直属のリーダーだけでなく、同僚からも評価を集める「360 Evaluation」という制度があります。これにより、評価が少数の上司に依存せず、経営陣は社員一人一人の仕事への姿勢や成果を見出すことができます。


 

9. 模範となるリーダーシップ:良い事は進んで評価

誰かが良い仕事をした時は、思いっきり褒める。分かってはいても、いつも実践するのは意外と大変です。頭ごなしに叱られるより、褒められた時の方がポジティブに記憶に残り、効果的です。また、褒める時は、「何が良かったか」をできるだけ具体的に、相手に直接伝えるようにしましょう。

 

これで終わりではありません。「褒める」をツールとして使うのです。褒めた後、次に期待していることを伝えれば、相手は自分の仕事が認められたと感じ、更なるやる気が出ます。これを繰り返すことができるチームが、速く成長を遂げられるのです。メンバーの成果を共有するセッションを定期的に開催するのも効果的かもしれません。






10. People First(人ファースト): ソフトウェアの前に人の開発を

今回スクラムフェス大阪2020に参加して、CI&Tが掲げる「People First(人ファースト)」のマインドセットは間違いないのだと感じました。良い仕事は常に人から生まれるものであり、それは決して変わることはありません。自分の意見を押し通すのではなく、相手を尊重し、認め合う文化を作るべきだと思います。多文化な環境で仕事が出来ることに感謝し、一人一人の強みに目を向けること。全員の長所を育てることで、チームとしてより良い結果を生み出すことができます。

 

平等な関係性は信頼を築くためにも重要であり、全員が一緒に問題を考え、解決に向かって取り組みます。チームで何かを一緒に成し遂げることは、スキルアップ、今後のキャリアへの刺激となりますし、何よりも良い思い出として心に残ります。責任感を持ちながらも、楽しく仕事をすることを忘れずに。

 

「今回のセッションで、CI&TのPeople Firstの文化と、社内の変革ストーリーを共有できたことに感謝しています。スクラムフェスト大阪は、今回もアジャイル開発の楽しさと、会社の変革における人の重要性を再認識させてくれました。私は、CI&T自身の大きな変革を経験してきましたが、この "人を第一に考える "というマインドがこれからも私たちを成長させてくれると信じています。そしてこれからも、私たちのマインドセット、スキル、そしてリーン・アジャイル文化を日本に広めていきたいと思っています。」

橋永 ローズ、CI&T Japan オペレーションマネージャー