デザイン思考を導入時の課題7つと解決策

by: Christy McMillian

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Posted on 12月 13, 2018

デザイン主導のアプローチを使った問題解決や技術革新の利点は広く知られています。しかし、多くの企業に共通するのは、組織においてはデザイン思考の導入が妨げられやすい状況があるということです。

私たちは、金融、テクノロジー、政府、非営利分野のクライアントと提携し、デザイン思考テクニックの指導や使用を以下の目的で行っています。

  • 顧客や従業員と共感する。
  • ユーザージャーニーや体験をマッピングし、改善対象を特定する。
  • コラボレーションにより問題解決およびイノベーションの機会を見つける。
  • 共有されたビジョンを達成するための明確かつ実用的な手順に基づき内部の連携を図る。

 

私たちのお客様は、このプロセスの利点を理解するとともに、実感されてもいます。このプロセスはビジネスと顧客のための価値の創出に重点をおいてバランスの取られたやり方であり、そこから現実的な行動計画を作成することができるからです。

しかし、これはどのビジネス方法論でも同じですが、ある方法論に突然人気が出た場合、そのプロセスが意図されたように十分に理解されないまま使用され、失敗に終わってしまう場合もあります。

ここでは、実際の現場でこのプロセスを機能させるのに有効な方法をいくつかご紹介します。

 

【課題1】デザイン思考はデザイナーが使うもの
 

デザイン思考における最大の問題の1つは、その名称そのものにあります。 このプラクティスはデザイン上の課題に限定されるものでも、思考に留まるものでもありません。

例えば「人々のニーズを理解し、その意見を得ることで人々の経験をより良いものにし、それによって迅速に問題を解決し、ビジネス価値を提供するコラボレーション」という名称こそ適切かと思うのですが、残念ながら「デザイン思考」に比べるとエレガントさに欠けます。

 

【解決策】デザイン思考を理解する

デザイン思考が決して対処療法的なプロセスではないことの理解を助けることが重要です。デザイン思考とは、人が使うプロダクトやサービスを改善するために、人を中心に考えるよう促す哲学なのです。

 

【課題2】自分の仕事は売ること。顧客の暮らしを良くすることではない。
 

プロダクトアウトのアプローチを持つ企業は多く、こういった組織では単一のプロダクトやサービスに集中できるように部門・部署が垂直に編成されています。これはプロダクトをすばやく提供するのには役立ちますが、部門間のコラボレーションや学習を奨励したり、プロダクトやサービスが複数にわたった場合の顧客体験という俯瞰的を視点を得られません。

 

【解決策】組織的にサポートを提供する

デザイン思考がもたらす利点を実現するために、経営幹部は機能横断的コラボレーションの支援と奨励を行う必要があります。従業員が、個別のプロダクトの提供だけでなく、チャネルや時間を横断した体験を提供できるよう動機を与える必要があります。

 

【課題3】プロジェクト完了を早めるのに役に立つか?
 

デザイン思考は、洞察力を研ぎ澄まし、顧客の視点を取り入れ、コラボレーションを誘導する優れた方法論です。しかし、デリバリーに関する課題を解決する特効薬ではありません。

 

【解決策】期待値を管理する

デザイン思考を使うと問題の指摘をするだけでなく、各種エクササイズを通じて根本原因を追求できます。しかし、解決したい課題に適したツールを理解して使用することが大切です。

 

【課題4】先月はシックス・シグマだったけど、次はこれ?
 

デザイン思考はバズワードに過ぎず、明日には経営陣は新しいものに惹かれ、実際の有用性に懐疑的な見方をされることがあります。 また、専門部署やチームによってデザイン思考が導入された場合、このような見方はさらに強化されてしまいます。

 

【解決策】トップダウンでなくボトムアップ

デザイン思考は企業文化そのものに織り込まれるべきものです。 トレーニングやツールを全社員に提供し、日々の問題解決にこの考え方を活用できるようにする必要があります。そして実践を経て、プラクティスを全員のニーズに合うように進化させることが大切です。デザイン思考は、会社の部門でなく、哲学であるべきです。

 

【課題5】忙しく、新しいことを学ぶ時間がない。
 

デザイン思考の基本原則の1つは、共感です。従業員はどうでしょう? 不満が溜まったチームを目にすることがよくあります。すでに働き過ぎな状態なのに、プロジェクトの途中で方向性や優先順位の変更を求められたりすることで、何年にもわたって築かれたプロジェクトやプロダクト、サービスの提供方法に混乱が生じてしまっているからです。

 

【解決策】適切な支援を提供する

時間、トレーニング、サポート、報奨制度、経営陣のサポート、そして金銭などを適切に投資することで、チームに対する過度な負担を軽減することができます。

調査や従業員へのインタビューを使ったり、従業員が悩みの種を訴えるための手段を提供することを検討してみましょう。他の部署と協力し合って問題解決にあたれるよう、物理的にもスケジュール上でも従業員にスペースを与えてあげてください。そうすれば従業員は組織との人としての繋がりを意識し、自ら仕事のやり方を改善したいと積極的に努力してくれるようになります。

 

【課題6】エンパシーマップの費用対効果はどう測る?
 

デザイン思考の価値を貶めるのは、その結果残るのは多くの付箋と共に巻かれたまま埃をかぶっている模造紙だけではないか、と考えることです。

「確かに油性ペンやスナックがたくさん用意されたワークショップで一日中みんなで楽しく過ごしたけど、その後なにかアクションしたんだっけ?というか、何について議論したんだっけ?」

 

【解決策】成果を定義する

カスタマーエクスペリエンスに焦点を合わせることにしたら、それが本当に価値を生み出しているかどうかを知るためには一連の新しい測定手法が必要です。 デザイン思考プロセスは結果として、明確に定義された成功指標を持ち、決められたスケジュール内に実行できるような、実用的な行動計画とならなければなりません。

 

【課題7】リスクは負わず、防ぐもの
 

デザイン思考導入の成否に最も大きな影響を及ぼすのは企業文化です。企業文化は千差万別です。組織変革に取り組む前に自社の企業文化を理解しておく必要があります。営業や業績主導、イノベーション重視、共創志向、顧客中心、リスク回避、トップダウン・・・様々なタイプの企業文化が存在します。

 

【解決策】自社の企業文化を考慮する

新しい考え方の受け入れ、理解、導入を可能にするということは、自分や自社のことを理解し、また自分たちにとって本当に重要なことは何かを理解することを意味します。自分たちの行動規範がコアとする価値に基づいたものになれば、成功する可能性も高まるでしょう。決して押し付けではなく、チームがそうすべきと信じてこその成功なのです。