より良く、より速く、より多く:デジタル時代におけるリーン【後編】

 

デジタル時代におけるリーン
Posted on 8月 4, 2020

独自のリーン・デジタル機構の開発
 

この種の成功を再現する方法を検討されている場合は、他の企業が行っていることを模倣することは避けるべきでしょう。模倣は追従の形態としては最高のものであるかもしれませんが、成功する保証はありません。そう望む場合には、それぞれの企業には独自の「道」があるものです。

模倣よりもより望ましい出発点は、あなたの企業の目標および計画予定に焦点を合わせることです。デジタル変革にリーンの概念を適用することは、どのような産業においても、事業に明確な影響を与える大きな好機となります。

これはまた、デジタル世界における「変革」が本当に意味するものについて熟考する良い機会ともなります。誰かが変革について話すときは、情勢の変化によって組織内の変化の必要性が生まれることを認識しています。それに応じて企業が新しい現実に直面しながらも本筋に沿った状態を維持することを望む場合は、自社の戦略や事業上のニーズ、そして経営モデルを見直し、考え直すことで自社を変革させる必要があります。

しかしこれができていない企業が一部に存在しています。経営モデルを変更させるのではなく、組織内の一部署あるいは一つのチームと変更させるだけに止まり、規模相応の成長ができていないのです。例えば50,000人の従業員の組織で、200人に変更が与えられたにもかかわらず残りの従業員は過去30〜40年間とまったく同じ方法で働いている、などです。一部での変化は、全体に対する変化のための展望と意思疎通できるものである必要があるのです。

 

リーダーのためのリーン・デジタル
 

変革が表面的なだけのものになることを避けるためには、企業のリーダーはその第一歩を踏み出し、変革プロセスに集中する必要があります。これは誰かに任せるべき問題ではありません。考え方を変えるということは、簡単には始まりません。実際、一部の人にとっては、変化は実に恐ろしいものである場合があります。企業文化を上から変えること、そしてチームが実験をして間違いを犯しても安全な場所を作ることが非常に重要なのはそのためです。

一連の試行錯誤を経験すること、より分かりやすく言えば、実際に行動することから学ぶことが、革新するための唯一の方法です。もちろんこの概念は新しいものではありません。1882年まで遡ると、トーマス・エジソンは「発明家として成功する方法(How to Succeed as an Inventor)」という記事の中で次のように記しています。

「今の私が比較的簡単に行うことができるその理由は、これまでの莫大な数の失敗の経験から学んできたからです」

しかし、行き当たりばったりの試行錯誤は運に頼りすぎており、それでは現在におけるビジネス上の課題を解決することはできません。 それを迅速に、一貫性をもって実行するための枠組みをもたらし、そのプロセスにおいて多くの学びを生み出すことができるのがリーンの概念なのです。

さらに、技術やソリューションだけでなく、チームが自社の業務および顧客と結びつくための方法にも投資することが重要です。カルチャーは行動を促し、行動は従業員がシステムや技術的なソリューション、顧客、そしてお互いにどのように関わっていくかを決定します。

 

結果は売上高に表れる
 

世界の大企業数社と連携してきたCI&Tは、リーン・デジタル思考の威力を直接目の当たりにしました。例えば私たちのクライアントで、4,000億ドルを超える総資産、600億ドル以上の時価総額、そして90,000人以上の従業員を抱えるある銀行は、仕事への取り組み方を変革することに2年以内で成功しましたが、その結果は驚くほど素晴らしいものでした。同銀行は、以前と比較して5倍の速さの新しいデジタル経験を提供し始めました。「App Light」という同行のアプリの一つは、「2017年の最優秀バンキング用アプリ」も受賞しています。

しかし、このクライアントが例外的だということではありません。この新しい考え方によって、幅広い業界で10倍速く市場に売り込み、従業員および顧客の満足度を向上させるなど多くの改善という成果をもたらしてきたのを私たちは見てきました。リーン・デジタルとは、より速くかつより高い一貫性を実現しながらも、もっと望ましい経験を提供するためにリーンの原則を適用することがすべてである、ということを忘れないでください。あなたの企業が顧客の期待を常に満たし、あるいはそれを上回ることで顧客を満足させることができる場合、あなたの企業は全面的に競争の中で有利な立場に進み始めています。