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5年分の進歩を5か月で:従来の手法からデジタルオペレーションへの飛躍

By CI&T Team

5年分の進歩を5か月で:従来の手法からデジタルオペレーションへの飛躍
Posted on 7月 31, 2020

 

ブラジル最大の食品小売企業であるカルフール社は、デジタル時代の課題に立ち向かうべく、それまで構築してきた事業構造を変革させることに成功しました。同社の変革成功への秘訣を、戦略と教訓からひも解いていきましょう。

 この記事の内容

  • 数日で伝統的な企業からスタートアップへ
  • デジタル文化と機会の創出
  • 変革への重要な鍵、IT



 

カルフールは世界第2位、ヨーロッパ最大の食品小売企業で、ブラジルでは業界のパイオニアとして知られています。1975年以降、従業員7万2,000人、国内26州に498店舗を展開するまでに成長し、ブラジルの食品小売業界でも最大手となっています。

 

CI&Tブラジル社は2016年以来、カルフールのパートナーとして信頼関係を築いてきました。そして先日、カルフールのデジタル変革を成功へと導きました。


 

今回私たちは、カルフールのチームが、新型コロナウイルスの影響で不安定な環境の中、新たな消費者の期待に応えるためにとった行動を目の当たりにしました。例えば、約2万7000人の従業員が100%在宅勤務で働けるようにするなど、数日のうちに構造を変え、新しい経営手法へと移行することができました。これらはすべて、消費者を重視したデジタル変革の計画がすでに社内で進行していたことと、消費者により多くの価値を提供するために、コラボレーションと実験を重視する企業文化が生まれていたからこそ可能になったのです。


 

この記事では、カルフール社のCIOであるパウロ・ファルコ氏が、CI&TのCSOボブ・ヴォルハイム、CTOのブルーノ・シミオーニとの会話の中で語った内容と共に、今回のプロジェクトのステップ、課題、初めての状況に直面し得た学びを紹介していきます。

 

5年分の進歩を5か月で

 

 「私たちは、VUCA 2.0※と呼ばれる時代にいます。これまでに無いほどに強烈で不確実で、多くのことが起こっている時代です。今回、私たちはたった5ヶ月で5年分の進歩をしたと思っています。素早く決断を下し、非常に大きなビジネスと顧客行動の変革を起こしたことで、多くのチャンスが生まれました。現在は、すべてのビジネスにおいて、再構築を進めています。」
パウロ・ファルコ氏、カルフールCIO

 


新型コロナウイルスの影響で、小売業は今までのやり方では、経営が難しくなりました。商業、サービス業、オフィスの強制閉鎖は、カルフールをはじめ多くの企業の課題となっています。また、小売企業は特に、迅速にVUCAな市場に対応し、供給を続けていかなくてはなりません。この市場のニーズに応えるため、企業はデジタル化を余儀なくされました。

 

 

突如として現れた新たなニーズに対し、迅速に対応できる新しい方法を計画する時間がカルフールにはありませんでした。まず必要とされたのは、事実に基づいて行動することです。そこでカルフール社の経営陣は、新たに出現した多くのニーズに対応するために、迅速に行動を起こしました。課題解決のためにチームを増やし、各チームが、デジタルコミュニケーションやオンライン販売チャネルを改善して受注の増加に対応できるようにすることから、店舗が正常に機能し続けるためのソリューションを生み出すことまで、さまざまな課題に取り組みました。


 

「カルフールは数日でスタートアップのように生まれ変わりました。意思決定の手順をいくつか省き、関わる人数を減らしたことで、スピードが格段に上がったのです。これは、すぐにでも行う必要があった変革の1つで、意思決定が各チームの意見を反映させた、より明確な目的と責任感を持ったものとなりました。お客様と従業員の安全を最も大事に考えてのことでした。」
パウロ・ファルコ氏、カルフールCIO


 

チーム制の採用や実践をしてみる文化は、すでにカルフールの事業設計の一部となっていたため、同社にとってスタートアップのように生まれ変わることは容易なことでした。カルフールとCI&Tがパートナーシップのもと進めてきた組織変革は、デジタル時代において大変役に立ちました。準備ができていたからこそ、急な状況変化があってもスピード感を持ってイノベーションを起こし、効果的なソリューションを速く構築することができたのです。

 

 

 「カルフールは、ブラジルでは多くの場面でパイオニア的な存在でした。我々はチームと一緒になって、懸念事項を消費者や従業員と明確に共有しました。我々は、店舗に来た顧客の体温を計ったり、ショッピングカートを綺麗に保ったり、顧客と従業員の空気感染を防ぐためにレジにアクリル板を導入したり、お互いの距離を維持することに努めました。これらは全て、すぐに実行することが出来ました。」
パウロ・ファルコ氏、カルフールCIO


 

デジタル文化と機会の創出

カルフールは、顧客と地域社会を支援したいという思いから、最も緊急で重要なニーズの見極めに取り組みました。その結果、同社は社会のために4万枚のマスクを作り、食料品や生活必需品が入ったバスケットを必要としている地域に配布しました。


 

「今日、私たちにとって顧客は、純粋に会社のデジタル変革戦略の中心となっています。」
パウロ・ファルコ氏、カルフールCIO


 

また、カルフールは、すべての人の課題に対応するため、高齢者向けの特別な施策を実施。Eコマースを担当するチームが60歳以上の高齢者を優先する機能を開発したほか、お客さまセンターでオンラインショッピングの利用方法を説明しサポートする新しいサービスを作成しました。


 

「このプロセス全体が、会社に大きな変化をもたらしました。非常に短期間で、実際の店舗だけでなく、当社のテクノロジーを大きく変え、地域コミュニティと社会に対するプレゼンスを拡大しました。」
パウロ・ファルコ氏、カルフールCIO


 

変革の主役はITチーム

テクノロジーとそれを実装する人々は、これまで裏舞台メインで活躍していましたが、その時代は終わりました。現代のITチームは、戦略的な意思決定の場で活躍しています。

 

「新型コロナウイルスは、ビジネスとエンジニアリング戦略間のギャップを埋める能力が最も高いITチームが主役となる大きな機会を生み出しました。100%オンライン化された環境ではなおさらです。ITチームは、ショッピング体験やユーザーのオンライン体験をサポートすることができます。彼らは戦略立てと意思決定の場には絶対に必要な存在です。」
ブルーノ・シミオーネ、CI&T CTO


 

以前彼らは、技術的な問題解決のためのツールやソリューションの導入のみを行っていましたが、今では機会の検討や行動計画の立案などで会社をリードする存在となっています。


 

 「プロフェッショナルとは、自分の役割、DevOpsやアーキテクチャ戦略、クラウド戦略を実行するため、頻繁にリリースをするため、そしてこの新しいテクノロジー界を語るために必要なものは何かを見極めることができる人です。テクノロジーを担当する上層部において、この動きは非常に加速したと思います。この業界の今までにない形での成長は、私にとって大きな学びとなりました。」
ブルーノ・シミオーニ、CI&T CTO 


 

「私からIT担当者の人々に向けてアドバイスをするとしたら、戦略的な意思決定の場での権限を得ることをお薦めします。これは、今回の新型コロナウイルスの影響を経て、非常に短い時間での戦略的変革に貢献したIT担当者にとって大きなチャンスです。」
パウロ・ファルコ氏、カルフールCIO

 

そして、「将来的には会社全体がテクノロジー企業になる」というネットスケープ社の創業者マーク・アンドレセン氏の言葉を受けて、CI&Tは、この大きな変革と不確実性に満ちた状況を、すぐにでも未来へ向けて乗り出す絶好のチャンスだと認識しています。そしてカルフールはすでに率先して、リーン経営哲学の偉大な教えの一つである「Learn by doing(実践しながら学ぶこと)」を実践している企業なのです。



 

「カルフールが成功して長続きするためには、テクノロジー企業になる必要があると思っています。我々のテクノロジーを、良い人材を惹きつけ、保持できるだけのものにしなければなりません。そのためには、最先端のツールを使って、よりアップデートされた現代的な方法でテクノロジーを効果的に使いこなす必要があります。私の個人的な願望としては、カルフールにテクノロジーが浸透し、サービスの提供スピードが格段に速い企業として認識されるようにしたいと思っています。」
パウロ・ファルコ氏、カルフールCIO




※VUCA:Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取り、ビジネスや市場など、世界における様々な不安定要素を示す言葉。「VUCA2.0」とは、そのような時代のリーダーに必要な要素をVision(見抜く力)、Understanding(理解力)、Courage(挑戦する勇気)、Adaptability(適応力)で表した言葉で、ハーバードビジネススクールの上級研究員である、ビル・ジョージが発表した。