優れたサービスデザインの主原則

by: The CI&T Team

優れたサービスデザインの主原則
Posted on 11月 26, 2018

サービスデザインとは、長期間にわたって、複数のタッチポイント間で顧客体験全体を評価・理解・最適化する活動です。サービスデザインには、戦略やUX (ユーザーエクスペリエンス)、プロダクトデザイン、プロセス分析、マーケティングが含まれます。

これらは全て独立したものであり、それぞれが奥深い規律です。サービスデザインはこのように範囲が広いので、正しく理解するために何が重要なのかを知ることが課題となることが多いのです。

 

成功の鍵
 

私たちは5つの主原則があると考えています。これらの原則に従えば、規律を適切に用いて、最も重要なことを確実に扱うことができるようになります。

 

1. データ主導型であらゆる視点を含むカスタマージャーニーを作成する

調査がデザインプロセスの重要な一部であることは周知の事実です。ユーザーを理解しなければ、ユーザーのニーズに合わせてデザインすることはできません。しかし、ユーザーを理解するだけでは不十分です。

サービス全体を適切な文脈で捉えるには、事務管理部門、営業部門、そしてユーザーなど、あらゆる参加者に関するシステムやプロセスや視点を、質と量双方の観点から理解する必要があります。

 

2. 強力なストーリーを利用して 1つの点を明確にする

何もかもを語ろうとするストーリーは、結局は何も語ることはできません。効果的なストーリーとは、観察から得られたものであるとともに、ビジョンとして捉えられるものです。また、明確で限定的な1つのメッセージが含まれます。

そのようなメッセージを明確にするストーリーの細部は多く存在するでしょう。しかし、読み手が1つまたは2つの文でメッセージを理解できるようにそのメッセージを伝えられなかった場合、ストーリーの力は失われてしまいます。

 

3. ツールや成果物よりも結果を優先する

美しいドキュメントやアーティファクトは強力なものになり得ます。自信や信憑性、厳粛さをメッセージに添えてくれます。表現しようとしている現実を完璧に洗練された形でモデル化するまでは、ジャーニーマップを修正したり練り上げたりしたくなって気が散ってしまうことはよくあります。

このように気が散るのは、成果物の目的のためです。成果物は、理解と調整、すなわち会話が目的であり、それを支援するためにジャーニーマップが存在します。アーティファクトを完璧なものにすることと理解を構築することが競合する場合は、アーティファクトを諦める必要があります。

4. 科学的手法を利用する - まずは仮説から始める

白紙の状態から始めることがないようにしましょう。サービスデザインのプロセス中はいつでも、実施する研究や調査によって真偽が明らかになる何らかの仮説を試すべきです。「学習したことを単に確認するためだけ」に調査を行いたくなることが多いですが、こうした罠に陥ってはなりません。

確かに、新しい事を発見したり興味深い事実や洞察を覚えることがあるでしょう。しかし、サービスデザインの技能は、行動につながる解釈力にあり、そのためには、立証または否定の明確なメッセージが必要になります(上記#2を参照)。また、仮説が誤っていたことを理解することは、仮説が正しかったことを立証することと同じくらい価値があることも忘れないでください。

 

5. 消費者の価値とビジネスの価値のバランスを取る

ユーザー中心のデザインにより、理解するのも使用するのも難しかったエンジニアリング主導の機能中心のツールやシステムから随分進歩しました。サービスデザインに関しては、UXやプロダクトデザインの文脈と比べると、顧客視点も同等もしくはそれ以上に重要です。

しかし、サービスを成功させるには、ユーザーを幸せにするだけでは足りません。作業、収益、プロダクトロードマップ、そしてその他多くの考慮点は、ユーザーの頭には決して浮かばないものですが、これらも、成功するジャーニーを生み出すのに重要です。

成功するジャーニーは、ビジネスと顧客が共有するものであるとともに、その両者に価値を生み出すものでもあります。顧客に愛されるプロダクトを生み出しても、収益を上げられないのなら、顧客に長く楽しんでもらうことはできません。実現可能性を忘れないでください。作り出すことが不可能ならば、結局は、顧客がそのプロダクトを楽しむことはありません。

 

規律と創造性(クリエイティビティ)は共存可能
 

規律と創造性は互いに相容れないものだと考えられることが多いですが、これは間違いです。実現可能であり現実的な方法で、顧客に愛され、経済的に意味がありビジネス面で実行可能な美しいものを作るには、精神力、頭脳、そして財力を同時に使用して考える必要があります。適切な原則を確立してそれに従いましょう。

そうすれば、規律がに創造性に奉仕するようになるだけでなく、規律によって創造性を支えることができるようになります。そうなれば、頭に思い描いているビジョンが実現し、いつでもそれを体験することができるようになります。そうしたことが起きれば、カスタマージャーニーや顧客との関係性が、意義のある、真に成功したものになります。