リーンとアジャイルの違い、そして有能なリーダーとは?

 

リーンとアジャイルの違い、そして有能なリーダーとは?
Posted on 8月 4, 2020

 

これまでテクノロジーは多くの産業を様々な形で変えてきました。それに対し、リーダー層は組織やチームの運営方法を再構築していく必要があります。
 

変革モデルとして良く聞く「リーン」と「アジャイル」。これらは、ワークフロー、製品開発、そしてアイデアを実現するために必要な膨大なタスクを整理するのを助ける原則を持っています。
 

では、リーダーとして、これらをどのように適応すればよいのでしょうか。その前にまず、リーンとアジャイルの違いと、それらがリーダーにとって何を意味するのかを考えてみましょう。

 

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リーン・アジャイル手法とリーダーシップについて、CI&Tのオペレーションマネージャー橋永ローズがウェビナーを行いました。橋永は、従来の指揮統制型組織から、リーン・アジャイル導入を経験し、12年以上リーンアジャイル組織のリーダーとしてチームを管理しています。動画を掲載していますので、合わせてご覧ください。ウェビナー動画はこちら


 

あなたの目標は?

チームや組織の運営管理において、コレ!といった答えはありません。それよりも、自分の直近の目標について考えてみましょう。業界著名人である、Lean Enterprise InstituteのCEOジョン・シュック氏も、「今解決しようとしている問題は?」と毎回問うそうです。
 

アジャイル関連の文献を見ても、リーダーの役割は定義されていません。これこそが、リーンとアジャイルの大きな違いのひとつです。しかしリーンの原則を見ると、リーダーはビジネスの全ての側面をしっかりと理解しなければならないとされており、ハードルがかなり高いです。これは、「マネジメント」としても少々重すぎるように思えます。
 

前途した通り、アジャイルでは「リーダーシップ」の定義がありません。なので、リーダーによっては「ファシリテーター」として自分が邪魔にならないようにチームの仕事を支援し、チームに自律性を持たせようとする役割もあります。小規模のプロジェクトの目標達成ならば、アジャイルでも充分かもしれません。しかし、全社規模の改革を行う場合、何百人もの社員を自律的に動かすことは至難の業です。 

  
 

プロセスの価値

多くのアジャイル原理主義者はプロセスを「厄介なもの」「チームの自律性を制限するもの」と捉えます。チームに自律性を与え、同時にプロセスにも従わせることができるのでしょうか?アジャイルとプロセスは、元々折り合いが悪いのです。
 

反対にリーンでは、プロセスはなくてはならないものです。定義されたプロセスは、作業を行う上で「出来る限り最善の方法」を明確にし、すべてにおいてそのやり方が反映されます。チームメンバーは「最善の方法」をまず知った上で、プロセスを構築し、改革を行います。一方、適切なプロセスを課し、プロセスの進化を図るのはリーダーの役割です。

 
 

アジャイルとリーンの学習プロセス

アジャイルでプロジェクトを行う際、すべてのチームが各自のプロセスを一から、メンバーのそれまでの経験を踏まえて定義します。もちろん、そのプロジェクトのために定義された基盤があるというわけではないので、チームメンバーの知見に基づいて改良を繰り返します。
 

リーンでは、自分や他人の失敗から学ぶことでミスの削減を図ります。組織において、同じ間違いの繰り返しは避けたいものです。確立されたプロセスには「最善の方法」が示されていると前途しましたが、それには過去の失敗も反映されているからです。何度も失敗を繰り返すうちに得た学びの積み重ねが、より良い方法を生み出します。ただ、前任が作った「最善の方法」をそのままプロセスに従うと過程や失敗を十分に味わうことが難しいため、チームの学習の妨げにもなりえます。
 

知識やプロセスの基盤と、組織のリーダーシップはまったく異なるものであるということです。

 
 

リーダーの役割とは

では、このように異なるリーンとアジャイルを両立させるには、どうすれば良いのでしょうか。アジャイルは、チームレベルの業務において、最もよく機能するという人もいます。一方リーンは、プロセス中心の手法で、組織をゴールへと導きます。例えば、リーンの原則は基本原則や統一文化、ベストプラクティスをチームのために確立すれば組織レベルでもよく機能します。かたやアジャイルは、アイデアを実践してみた上で、解決案を見つけるフレームワークをもたらします。
 

リーン組織においては、リーダーは今なされている仕事が何なのか深く知らなくてはなりません。また、人材を開発しプロフェッショナルとしての成長を見届ける欲求がなくてはなりません。これは従来の企業によく見られた、「問題じゃなくて、解決案を持ってきてくれ」という古い教育方法とは違います。問題は見たくないと言うリーダーがいることは、組織にとって近視眼状態、もとい「盲目状態」とすら言えるでしょう。
 

従来のよくある教育方法では、リーダーはビジネスの成長を妨げる障壁を作り出してしまいます。チームメンバーが問題に気付いても、解決できるの知識や能力、権力を持たなかったらどうなるでしょうか?解決にリーダーの協力が必要な時も往々にしてあります。これこそが、メンバーからの問題報告を受け付けないこと自体が問題である最大の理由です。
 

また、リーン組織においてリーダーは、チームの課題を共有し、質問し、解決法について考えさせ、そしてリーダー自身が属するビジネスにおいて、権威となる意志を持たねばなりません。ほとんどの企業が指揮統制型の経営アプローチをとる時代において、リーンはより流動的な選択肢となります。プロジェクトにおいて、メンバー全員に考える機会を与えることで、自分は必要とされているのだと感じさせることができるのです。また、いつでもリーダーのサポートを受けられると分かってもらうことも大切です。
 

また、メンバーに失敗を許す環境を与えるのも、リーダーの役割です。ここまで述べてきたように、失敗は学びのタネであり、チームの成長に必要な事です。失敗を繰り返すからこそ、改善ができ、より良いソリューションにたどり着けるからです。大切なのは、コストが少ないうちに、小さな失敗・改善を早く何度も繰り返すこと。そのためには、メンバーがリーダーに怒られることを恐れて、完璧を求めすぎるがゆえに、気軽に意見やアイデアを出せない状況があってはなりません。時には、失敗のリスクを背負ってでもメンバーの意見を採用し、チームの成長を促す意欲と度量がリーダーには必要です。

 

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CI&T25年の歴史の中で培った、組織にインパクトを与えるリーダーシップに必要な5つの要素について、まとめたホワイトペーパーを公開致しました。市場ニーズが激しく変化する今、多くの企業がぶつかっている障壁は「リーダー層の育成」と言われています。どのようなリーダーが企業を成長させるのか、こちらの特設ページからご覧ください

  
 

アジャイル型チームのいるリーン型組織

CI&Tでは、リーダーは邪魔にならないようどいているべきだという教えがあるわけではありません。そうではなく、リーダーはチームを開発し、チームの意思決定を手伝い、ソクラテス式に教え学ぶためにいるものと考えています。これはチームが問題に対する最善のアプローチを考える上で、自由と柔軟性を与えられていることを意味します。これはまさにアジャイルの考え方なのです。
 

では、リーダーがこのプロセスの一部になるには。真のリーダーは、ただチームに「解決案」を差し出すのではなく、自分の知識を使ってチームの議論の中で、現実と目標のギャップを見出させ、よりよい解決案を出すよう促します。また、リーダーが結論を押し付けるのではなく、チームが自ら結論を導くことを許すことが最重要です。
 

これは、自分で考えることなく学ぶことは不可能だからです。それが「最善の方法を学ぶ」ことと「やみくもにプロセスを追う」ことの違いです。リーダーは、チーム、ひいては組織全体を、プロセスと自律性がバランス良く機能するものにしなければなりません。
 

そうして初めて、素晴らしい結果がもたらされるのです。

 

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